明けましておめでとうございます
日本最古の歌集『万葉集』の中で新年を寿ぐような歌を十首選んでみました。
① 正月(むつき)立ち春の来たらばかくしこそ梅を招(お)きつつ楽しきを経め
(巻5ー815)
② 新しき年の初めに豊の年徴(しる)すとならし雪の降れるは
(巻17ー3925)
③ 新玉の年替えるまで相見ねば心もしのに思ほゆるかも
(巻17ー3979)
④ あしひきの山の木末のほよ取りてかざししつらくは千年寿(ほ)くとぞ
(巻18ー4136)
➄ 正月(むつき)立つ春の初めにかくしつつ相し笑みてば時じけめやも
(巻18ー4137)
⑥ 新しき年の初めはいや年に雪踏みならし常かくしもが
(巻19ー4229)
⑦ 降る雪を腰になづみて参り来し験(しるし)もあるか年の初めに
(巻19ー4230)
⑧ 新しき年の初めに思ふどちい群れて居れば嬉しくもあるか
(巻19ー4284)
⑨ 初春の初子(ね)の今日の玉箒(たまばはき)手に執るからにゆらく玉の緒
(巻20ー4493)
⑩ 新しき年の始の初春の今日降る雪のいや重(し)け吉事(よごと)
(巻20ー4516賀)
「蛇足」小生の剣持雅澄は『萬葉集古義』の著者【鹿持雅澄】から父が命名
『万葉集古義』
江戸後期の『万葉集』の注釈書。一四一冊。鹿持雅澄著。草稿成立は文政一一年(一八二八)頃、天保一一年(一八四〇)完成後も天保末年(一八四四)頃まで改正を重ねる。「万葉集」本文の注釈を主体とする万葉集総合研究書で、それまでにない精密さをもつ。明治天皇の命により明治一三~二三年(一八八〇‐九〇)宮内省刊。