2021-09-04 友情篤き詩人森川義信 義信より一足先に戦死せし友悼む詩は『詩集』に遺せし 幼友達安藤孝雄の墓碑を出征前に詣でし遺詩あり 『森川義信詩』』より 上等兵安藤孝雄を憶ふ友よ お前は二十歳ひととき朔北の風よりも疾くお前の額を貫ぬいて行つたものについてはもう考へまいわたしは聞いた大きな秩序のなかにただ はげしい意欲を お前の軍靴の音をわたしの力いつぱいの背のびではとどかない流れよ幅広い苦悩のうねりよ友よ二十歳の掌のなかで燃えたものよ 幼き日の森川義信であったかも⋯