2017-11-25 津軽 10首 剣持歌集 #短歌 津軽 10首 六十年封印してきた津軽とは太宰治につながる幻視 なまぬるく弛んだ日常捨ててゆく凛冽津軽に蕩けし青春 中四国このぬるま湯に飽き足らず東北最果て津軽に恋して 太宰治の縁につながる年上の女人あり蕩けるままに 雪解けの池畔にころがるマルメロを拾ひ給ひし津軽の女 雪国の白き肌には熱き血の裡に通ひて大胆になる 雪のなき南国に住みたいと漏らせしは何を意味することばか 津軽より北にはゆく気は更になしうかうかと聴く津軽海峡 青森は今日も天気は雪だるまロマンの雪とは裏腹にして 満洲に新天地求め父は逝きし北への志向我につながる