津軽 10首

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                                  津軽 10首

  六十年封印してきた津軽とは太宰治につながる幻視

  なまぬるく弛んだ日常捨ててゆく凛冽津軽に蕩けし青春

  中四国このぬるま湯に飽き足らず東北最果て津軽に恋して

  太宰治の縁につながる年上の女人あり蕩けるままに

  雪解けの池畔にころがるマルメロを拾ひ給ひし津軽の女

  雪国の白き肌には熱き血の裡に通ひて大胆になる

  雪のなき南国に住みたいと漏らせしは何を意味することばか

  津軽より北にはゆく気は更になしうかうかと聴く津軽海峡

  青森は今日も天気は雪だるまロマンの雪とは裏腹にして

  満洲に新天地求め父は逝きし北への志向我につながる

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