満尾 平成二十一年一月三十一日
酒杯に梅の花浮かべ念ふどち飲みての後は散りぬともよし (大伴坂上郎女)
官にも許したまへり今夜のみ飲まむ酒かも散りこすなゆめ (和ふる人)
発句 寒梅のひとひら浮かべ飲みにけり 宣長 冬
脇 玉の緒懸けて今日は河豚ちり 不遜 冬
第三 晩成の大器を磨くごしごしと 宣 雑
四 その手妙手と笑むは将棋師 不 雑
五 大相撲足取り蹴返し渡し込み 宣 秋
六 十六夜ユエニ日馬富士ダメ 不 秋 月
ウ
一 闘いに野分の中を疾駆せり 宣 秋
二 黒馬(くろま)の音を寝ずに待ちつつ 不 雑 恋
三 来じという君の言葉は信じまい 宣 雑 恋
四 嘘でもええの恋しとったノヨ 不 雑 恋
五 弘法も筆の誤り出来ちゃった 宣 雑 恋
六 不倫で左遷弓削の道鏡 不 雑 恋
七 徒然を琵琶で慰む夏の月 宣 夏 月
八 杜鵑一声オバマ登場 不 夏
九 福耳を持ってミリオンピープルズ 宣 雑
十 ここ下街は繭玉祝い 不 新年
十一 たらちねに花散る里の一葉舟 宣 春 花
十二 恐惶謹言殿様蛙 不 春
ナオ
一 デクノボー雨ニモマケズ春田打ツ 不 春
二 悠久の今永遠の今 宣 雑
三 懐かしい三角大福三角(みかど)餅 不 雑
四 王の末裔華奢な手を持ち 宣 雑
五 枯れ菊を詠む牛飼いの歌人あり 不 冬
六 雪見酒酌む阿波土佐浄土 宣 冬
七 君は今どこにどうしてござろうぞ 不 雑 恋
八 初恋の人探してあぎょうか 宣 雑 恋
九 儚くも墓場に近きラブ哀し 不 雑 恋
十 偏愛により人格生まる 宣 雑 恋
十一 五百夜継ぎ月読み壮士何祈る 不 秋 月
十二 易水にして秋の魂招(たまを)き 宣 秋
ナウ
一 流れ行く敗蓮ひとつ早きかな 不 秋
二 捨てて捨てえぬ西行の数奇 宣 雑
三 ころころと心は丸い掴まらぬ 不 雑
四 和敬清寂国会議事堂 宣 雑
五 花舗道皇居一周ランニング 不 春 花
六 元気をもらう春の県木 宣 春