平成万葉歌仙(十五)「寒梅の」の巻 両吟

         平成万葉歌仙(十五)「寒梅の」の巻 両吟     宣長 不遜〈捌〉

                           満尾 平成二十一年一月三十一日
 
   酒杯に梅の花浮かべ念ふどち飲みての後は散りぬともよし (大伴坂上郎女)
   官にも許したまへり今夜のみ飲まむ酒かも散りこすなゆめ (和ふる人)

 発句 寒梅のひとひら浮かべ飲みにけり   宣長 冬
 脇   玉の緒懸けて今日は河豚ちり      不遜 冬  
 第三 晩成の大器を磨くごしごしと         宣  雑
 四   その手妙手と笑むは将棋師       不  雑
 五  大相撲足取り蹴返し渡し込み       宣  秋
 六   十六夜ユエニ日馬富士ダメ        不  秋 月 
 ウ
 一  闘いに野分の中を疾駆せり        宣  秋
 二   黒馬(くろま)の音を寝ずに待ちつつ  不  雑 恋
 三  来じという君の言葉は信じまい      宣  雑 恋
 四   嘘でもええの恋しとったノヨ         不  雑 恋
 五  弘法も筆の誤り出来ちゃった       宣  雑 恋 
 六   不倫で左遷弓削の道鏡         不  雑 恋
 七  徒然を琵琶で慰む夏の月          宣  夏 月
 八   杜鵑一声オバマ登場            不  夏
 九  福耳を持ってミリオンピープルズ     宣  雑
 十   ここ下街は繭玉祝い             不  新年
 十一 たらちねに花散る里の一葉舟      宣  春 花
 十二  恐惶謹言殿様蛙              不  春 
 ナオ  
 一  デクノボー雨ニモマケズ春田打ツ   不  春
 二   悠久の今永遠の今             宣  雑
 三  懐かしい三角大福三角(みかど)餅   不  雑
 四   王の末裔華奢な手を持ち        宣  雑
 五  枯れ菊を詠む牛飼いの歌人あり    不  冬
 六   雪見酒酌む阿波土佐浄土       宣  冬
 七  君は今どこにどうしてござろうぞ     不  雑 恋
 八   初恋の人探してあぎょうか        宣  雑 恋
 九  儚くも墓場に近きラブ哀し          不  雑 恋 
 十   偏愛により人格生まる           宣  雑 恋
 十一 五百夜継ぎ月読み壮士何祈る    不  秋 月
 十二  易水にして秋の魂招(たまを)き   宣  秋
 ナウ
 一  流れ行く敗蓮ひとつ早きかな       不  秋
 二   捨てて捨てえぬ西行の数奇      宣  雑 
 三  ころころと心は丸い掴まらぬ        不  雑
 四   和敬清寂国会議事堂            宣  雑
 五  花舗道皇居一周ランニング        不  春 花 
 六   元気をもらう春の県木            宣  春