数字で読み解く仏教

『冥途の旅はなぜ四十九日なのか』柳谷 晃
 釈迦の説く仏教文化の中に、数学的要素が盛り込まれていることを広範囲に検討を加えていく。極楽浄土までの距離「西方十万億仏土」、五重塔・仏像が教える計算し尽くされた構造、除夜の鐘を百八回撞かねばならない数学的事情、仏教は2乗の数が好き、そして最終章がタイトルの「冥途の旅はなぜ四十九日なのか」に行き着く。それは「包容の数字が教える死後の行き先」ということになる。十王むの審判は一七日秦広王、二七日初江王、三七日宋帝王、四七日五官王、五七日閻魔王、六七日変成王、七七日太山王、百か日平等王、一周忌都市王、三回忌五道転輪王、合計十王が待っている。特に特に七七(四十九日目)が最後の審判で、行き先が決まる。そこで四十九日の法要・追善供養ということになる。
 以上は本書に書かれている一例に過ぎない。これをもって書名にするのはいかがなものだろう。直接該当する部分は7頁にすぎない。一見したところ、まさか本書を総括していない題名とは判らないかもしれない。私なら、本書の書名は 『数字で読み解く仏教の面白さ』にしたいところだ。