雷・夕立の俳句 (10句)

遠雷やいと安らかにある病婦 正岡子規

雷や猫かへり来る草の宿 村上鬼城

神鳴に瀨戸の渦潮応へけり 野村喜舟

遠雷や睡ればいまだいとけなし 中村汀女

白日のいかづち近くなりにけり 川端茅舎

蓬生に土けぶり立つ夕立かな 芝不器男

夕立のしらしらはれて刃物街 石 寒太

寒雷やびりりびりりと真夜の玻璃 加藤楸邨

雲とざす響灘より冬の雷 上村占魚

海鳴りに束の間こもる春の雷 千田一路

   ※ 時ならず秋雷旋毛風に遭ふ 雅舟