「俳諧の小径」とは、俳祖・山崎宗鑑の一夜庵へ俳聖・松尾芭蕉の早苗塚からたどる道筋を言う。
①早苗塚は琴弾八幡宮一の鳥居傍らにある。
早苗とる手もとや昔しのぶ摺 はせを
芭蕉おくの細道旅中途次の句自筆拡大したもの。
(安永4年創建・天保10年修復)
染川に注ぐ放生川を遡り一夜庵に至る道筋が「俳諧の小径」
②松浦坐石句碑が、その途中の惣寺院境内にある。一夜庵中興二世と称される。
暁や水鶏の叩く梦の底 坐石
水鶏=夏鳥クイナが鳴くのは「たたく」と言う。
梦=夢の俗字。この句は坐石の辞世句とされる。
③俳祖宗鑑終焉の地「一夜庵」室町末期創建その後数回修復
上は立ち中は日暮し下は夜まで一夜泊りは下々の下の客
宗鑑はどちへと人の問ふあらばちと用ありてあの世へと言へ
夜着の袖をや霜に橋姫御 宗鑑
④沓音天神 四国88ヶ所68番神恵院 69番観音寺境内にある。
寺伝『弘化録』によると、江戸時代の元和3年(1617)法印良昌
の項に約100年前の宗鑑伝の記載がかなり詳しくある。
上は往に中は日暮し下は夜まで一夜泊りは下々の下の客
「来客は只一夜を許す」と補記している。