西行の歌の中の味鴨

 敷き渡す月の氷を疑ひて篊(ひび)の手回る味鴨(あじ)の群鳥  西行

  月の光に海面が凍っているように輝き、竹杭の周りをしきりに行ったり来たりしている味鴨の群よ。(月光のもと鯵鴨が元気よく動き回っていることだなあ)

山家集』に載せられている西行の歌。讃岐の国吉津に着いた時の歌。現在は三豊市三野町吉津津ノ前、元吉津小学校跡地にこの歌碑が建っている。

 ここに歌われている「味鴨」はその近くの瀬戸内海燧灘に面する柞田川河口埋立地で撮影することができた。拡大のものは引用。味鴨とは現在の鯵刺(アジサシ)という野鳥である。種類は多い。篊とは魚貝海苔の養殖のための竹杭囲い。