2025年1月25日満尾
墨擦る手年輪増えて年明ける 雅博
書き初めするや賀状返信 光瀧
蛇の道は蛇なる心蠢きて 雅澄
いのちはぐくむ大地の温み 高雅
迎春も頌春もまだ名残り文字 澄
はて迷子かなおお一巡り 博
猫族は干支にはずされ失恋中 澄
青きシリウス遥かな想い 博
親友の年の瀬にして流れ去る 澄
出会いがありて別離の悲しみ 瀧
雪の下春待つ草が目を覚す 博
熊が人家に侵入するあり 澄
人見上げミャーと鳴く野良コタツ恋ふ 博
犬派と猫派両刃の剣 澄
AIは奔馬の如きすぐれもの 博
掃除ロボット家族が増える 澄
ギリシャ神話死ぬに死ねずに悪さする 博
忍の一字で万事切り抜け 澄
ダルマさん逃げてもいいよでも足が 博
一国一城の主囚わる 澄
阿波の山讃岐ないのにまっしろけ 瀧
冬晴れ石鎚遠き山脈 博
シクラメンのかほり唄声深夜便 澄
こりゃ大変黒星喫し酔いつぶれ 澄
昇り下りの十両力士 博
春光を背に受け畑の草むしる 高
田んぼで遊ぶ地の神笑う 博
空の虹大蛇のしわざ見上げたり 澄
玉なす讃岐春霞立つ 博
暮六ツはお寺の鐘が聞こえたに 澄
裸電球カレーの匂い 博
顏見せてすぐに引っ込む春の鳥 澄
嬉し恥ずかし十九の娘 博
我が思い彼方の人に届かぬか 瀧
恋離れして本巻幕引き 澄