故郷・反故郷10首

大陸に第二の故郷求め征きし父は満蒙開拓団

新天地求むは侵略とは知らず聖業として渡満せし父

反故郷父の血を引く私は故郷の土地人皆捨て果てたるに

若き日はひたすら故郷厭離して帰らぬ所と決めてをりしに

落ち着かず転々として住むところ変えることなど癖となりたり

厭離せし故里慕ふ情けなき人となり果て舞ひ戻りたり

戦争未亡人母の最期を見守るが僅かな孝行であったかもしれず

若者を心豊かに育てるため文学教師ひたむきなりし

大望を抱きて離郷するよりも在郷にして誠実に生きむ

信じたる人に裏切られそれも越えただ故里に果てるも命