芭蕉あえて《破調》の句

  破調(字余り)句の余情(哀愁)

芭蕉野分して盥に雨を聞く夜かな⋯八・七・五の字余りあえて

狂句木枯しの身は竹斎に似たるかな⋯「仮名草子」逸話の主人公

髭風ヲ吹テ暮秋歎ズルハ誰ガ子ゾ⋯「老杜ヲ憶フ」と前書にある

手に取らば消んなみだぞあつき秋の霜⋯郷里 母の遺髪の白髪

めでたき人のかずにも入む老の暮⋯「もらひくらひ⋯」と前書き

あら何ともなや昨日は過て河豚汁⋯京の信徳を迎え信章と三吟