早苗とる情緒などなくなった現代

吾妹子が赤裳ひづちて植ゑし田を刈りて収めむ倉無の浜 柿本人麻呂

さなへとは誰がいひけむ山里をみせばや田子の早苗とる頃 藤原家隆

まだとらぬ早苗の葉末靡くなりすだく蛙の声の響きに   慈円

早苗とる手もとや昔しのぶ摺              芭蕉

山おろし早苗を撫でて行方哉              蕪村