生の証十首


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          生の証し10首

  現実をしっかりと生きるそのことを忘れて生の証しでもない

  我が死後にも何か残さんとする営み誰にもあれどふと疑念もつ

  形なきものでもよいと思へども形あるものに固執する憐れ

  無くなっていくものよりは永遠の命ある言葉書き残さんとして

  千万の金品よりは精神のこもった歌文を僅かなりとも

  ワープロの冷たい文字より拙くとも手書きの文字で記しておきたし

  だらだらとまとまりもなく綴るより日本古来の歌句にまとめむ

  三十一文字それもよけれどあっさりと象徴化して俳の句にせむ

  リズムよく五七五にまとめ上げできれば季語を一つ入れておかむ

  吟行を共にする句友なけれども自然の中に溶け込んでゆかむ

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