詩人森川義信生家

 

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               勾 配       森川義信
  非望のきはみ
  非望のいのち
  はげしくも一つのものに向って    
  誰がこの階段をおりていつたか
  時空をこえて屹立する地平をのぞんで
  そこに立てば
  かきむしるやうに悲風はつんざき
  季節はすでに終りであつた
  たかだかと欲望の精神に
  はたして時は
  噴水や花を象眼
  光彩の地平をもちあげたか
  清純なものばかりを打ちくだいて
  なに故にここまで来たのか
  だがみよ 
  きびしく勾配に根をささへ
  ふとした流れの凹みから雑草のかげから 
  いつもの道は はじまつてゐるのだ       
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観音寺市粟井町本庄 詩人森川義信生家