幸期高齢者(10首歌)

遅かりし由良助「幸期高齢者」と書くのも知らず十年経し

当て字とは言いながら「幸期」とは佳い名と思うそれで生きよう

後期高齢者は85歳 今日からでなく90歳と知るのも今頃になる

まともなる言い方に返り「高齢者」大人しくして生きねばならぬ

刺々しい言発す者世の中にあるとは言えど優しさに絆される

年甲斐もなく若者たちに交じらわず英霊と対話Maskはしない

年寄りと言わず熟年と言い換えてなんぼのもとのだ実体変わらぬ

身體は衰えたりと思えども心は万年青年・文学青年

現実の美醜はどうにもならぬもの 心に抱けば美化される孤悲

沈黙は黄金にして語らぬが逃げてゆかない非人情界

   夾竹桃 ・烏瓜の花の打ち溶けに心惹かれし今朝