甘煮豆夫が選び入れたるに買い物籠から出したる愚妻
開拓の夢に憑かれて渡満する夫制止せず征かせし愚妻
学歴は後から加えることできず自慢げに言う酒の場なれど
あの朝にもっとしっかり言うべきを老いの繰り言事故死の吾子よ
告白をためらい夢を葬りし青春の日に悔いはなけれど
老いの後独りになれば人生の節目節目に身を引きしこと
思い出を手繰り寄せれば傷つけず別れ言葉の巧みなりしよ
後悔の事ばかりなる人生にひと際輝く恋の星あり
時経てばすべて美化され修羅場なる心の葛藤他人事となる
「我が事に於て悔いず」か「我、事に於て悔いず」かあなたはどちら