俳諧連歌の始祖と言われる山崎宗鑑の終焉の地。讃岐の西の果て観音寺市には俳跡一夜庵があります。俳句も連句(連歌)も伝統を継承して、ほそぼそと俳諧精神を継承しようとしています。そのささやかな試みは仲間と歌仙を巻くこと、連句という共詠作品を作って楽しむことであります。かつては観一歌仙でしたが、今は「雅歌仙」で隣人との両吟です。毎月一巻、令和4 年中に12 巻を巻き終えることができました。来年も続けていくつもりです。どなたの参加も歓迎しますので、お気軽に声をかけてください。
雅歌仙 ①「クリスマス」の巻 両吟 雅澄 雅博
令和3年12月25日 起首 令和4年1月25日 満尾
1 クリスマス隣人愛を言霊に 雅澄
2 耳を澄ませば縄文の風 雅博
3 書初めは百年生きた爪の垢 博
4 橙飾る金比羅参道 澄
5 燕石も酔って転んで月の影 博
6 森の恋しや春の梟 澄
7 旅立つ野紺のスーツは寸余り 博
8 一期一会の外交社員 澄
9 ヨーロッパさまようロマに国はない 博
10 懺悔の思い 届かぬ想い 博
11 真昼間コンサートに行く想夫恋 スミ子
12 広がる青田 幼子駆ける 博
13 襲う蚊を打ちしばかリに本血糊 澄
14 猫も入りたや最上の流れ 博
15 名月に誘われ昇天した人も 澄
16 おっと危ない焼浜栗は 博
17 秋茄子は嫁に食わすな七里追う 澄
18 三匹連れてインドを目指す 博
19 ワシントン夜桜に酔う異邦人 澄
20 今宵川風ほんのり染まる 博
21 犬ふぐり瞬く星の如く咲き 澄
22 赤いドレスがくるくる回る 博
23 アルプスの少女ハイジ役となる 澄
24 芸の肥やしは野つぼにあらず 博
25 雲辺寺見上げる峰はスキー場 博
26 長曽我部の吐く息白し 澄
27 春なのに雛を飾らぬ仁尾の町 博
28 そとささやけ菜の花のよに 博
29 若者の絶叫調のラブソング 澄
30 源内さんはウナギも捌く 博
31 玉藻余氏讃岐の国の月今宵 澄
32 梢の柿は与一が弓で 博
33 秋蝉のそっくり返る一夜庵 澄
34 焼き餅反せ焦げないうちに 博
35 花の雲雅の里は西讃岐 澄
36 樟樹の若葉タヌキが遊ぶ 博