追悼鎮魂の名句

塚も動け我が泣く声は秋の風    松尾芭蕉

手の上にかなしく消ゆる蛍かな   向井去来

虹の橋渡り遊ぶも意のままに    高浜虚子

めぐりあひやその虹七色七代まで  中村草田男

たましひのたとへば秋のほたるかな 飯田蛇笏

亡き母の石臼の音麦こがし     石田波郷 

曼殊沙華抱くほどとれど母恋し   中村汀女

懐手して説くなかれ三島の死   阿波野青畝 

放哉の句碑にかたばみ花貧し   加藤三菜子

母の死や枝の先まで梅の花     永田耕衣

病み抜いて母は蛍となりにけり   井上弘