雅歌仙④「藤棚や」の巻

雅歌仙④「藤棚や」の巻 両吟 雅澄 雅博 

           令和4年5月5日 満尾

1 藤棚や田舎住まいの宮人        雅澄              

2  小鮎が光る鴨のせせらぎ     雅博 

3 春星の交わすさざめき嬉しくて              澄

4  あのとどろきはゼウスの怒り    博

5 光太郎レモン哀歌や二十日月     澄 

6  白い歯笑う萩の日だまり      博

7 旅人と我が名呼ばれん君を捨て    澄

8  牡丹傘さす雨降る鄙は       博

9 揚げ雲雀この世まぶしく敬遠す    澄

10   十年振りにツバメ巣を為す     博

11  もの言わずとも蹊成すということも  澄

12   いつまで経っても実のならぬ桃   博

13 ジェンダーは適齢期なく嘯いて     澄

14  星降る夜は君にノクターン                博

15 茜雲雅に遠く我は主婦        澄

16  おいしいご飯五郷の鼓動      博

17 百舌高音母を尋ねて三千里      澄

18  旅の果て往く知床の海       博

19 義仲と背中合わせの芭蕉墓      澄 

20  微動だにせぬここはわが塚     博

21 凩の身は千歳に帰郷せず       澄

22  そろって背伸び穀雨の力      博

23 四月尽春の終りと言うべきか     澄

24  秋よりも春納言言ったかな     博

25 麦秋は春の季語とて愛しみぬ     澄

26  麒麟になって蒼天を飛ぶ      博

27 運転もビールもうまい宇宙人     澄

28  豊葦原は菖蒲酒よし        博

29 早苗とる手もとやゆかし讃岐の娘   澄 

30      しのぶ摺り着て見ん早苗塚     博 

31 武装解き巴御前はどこへやら     澄

32  やまと尼寺たすきで茶摘み     博

33 梟の遠く鳴く声聞く二人       澄

34  プーチンの目は猛禽の眼      博

35 累卵の危うき冷戦殺気だつ      澄

36  五月五日はうがみの祭       博