終戦の日百首歌

戦死者の遺族の悲しみ皆同じかもしれないが比重あるかも

遺児は皆未成年なり赤子もありその悲しみが真に分からず

戦没の親の悲しみのほどを知らむとする人ありや

親より先死ぬのは不孝最大なりそれをした誰か知れるや

人間のした戦争なれば責任者きっとあるはず出て来てください

祖母ちゃんが二人の叔父=我が息子戦死したとき忘れはしない

お国のためつくしたからと諦めますか冗談じゃない返してください

結婚後間もなく征きて還らざる夫の遺影を抱き続けたり

遺児を置き再婚したる未亡人一生枷を背負ひし戦後

遺児たちは母の手一つで育てられ義父に厄介にもなれるあり

海底に沈んだままに戦後八十年まだ一年が足らぬこの夏

節目ではない今年なり令和4年戦後79年ではインパクトなし

二度殺すことになるかもしれません戦没者無視黙殺すれば

肉親に戦争の影ない人はのほほんと終戦記念日過ごすか

祖母の墓参はその兄戦死を悼んでことと思わず過ごせし戦後

戦後など死語となりたること知らず生きていますか令和民衆

空襲の記憶のない人ほとんどです昔話は聞きたくないですか

焼け出され又はその前疎開せし記憶ある人ほとんどいない

う~う~警戒警報空襲警報その幻聴に魘される時あり

防空壕に入って震え止まらない戦中のこと魔のさす時あり

思い出連鎖となって浮かび来る戦時の記憶拭いされずに

何よりも戦死者の親一人もなくなった令和は平和幻想の危機

全世界どこでも戦争勃発の危機を孕んでのほほんと生き

敵味方どちらかに分かれ累卵の危機その意識あるや

間違えば全人類と地球上灰燼と帰すこともあり得る

神性と魔性具備する人間の未来はそんなに明るくはない

核の鍵弄ばれないとは限らない一つ狂えば地球上破滅

人類はそんなに愚かでないという妄信過信信じられない

疑心暗鬼それは無駄だと言い切れず一つ狂えば連鎖反応

優劣の極端具えもつ人類もてあそばれる鍵は誰が持つ

科学と信仰真偽正邪を具え持つ人類の未来現在進行形

現前の人に語らむ言葉なし戦争の事聞きたくない顔

聞く耳を持っている人稀にしてそれもすぐに話題を転換される

平和のこと未来のことを語りましょ老いの繰り言ほどほどにして

美味なるものいい音楽があれば足る胡散臭いもの一掃したい

粗大ごみ軍人墓碑などAnachronismどうにもならない物の筆頭

伝来の墓石などはそもそもの偶像崇拝Nonsenseの骨頂

千の風どこ吹く風か戦没の英霊などは雲散霧消

お墓なんかに私はいませんかそれはそれりに謂いですよ

お盆には供花する日本民族のしきたりとても黙殺できない

案外に殺す営みしています見殺し黙殺見て見ぬ上手

どこかで誰かが見ているのですか節穴であっても

往生が出来ずにさ迷う英霊のその親心までにも及んで

夫婦愛より親子愛 子を思う心にまさるものあるまじや