山時鳥を詠む

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芭蕉甲子吟行』の一句がよみがえる。紀行の前文「伊豆の國蛭が小嶋の桑門、これも去年の秋より行脚しけるに、我が名を聞て、草の枕の道づれにもと、尾張の国まで跡をしたひ来りければ」とある。陰暦四月、ちょうど今頃の季節、旅に最も快適な時候である。拙著『芭蕉との対話』では「野鳥の群れには声掛けもせず」と付けた。あまり感心しない。「共に聞き入る山時鳥」と改作したい。昨日の佳人と体験を生かして⋯

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 ホトトギスは「ホ、ト、ト、ギ、⋯」と鳴く。「ス」は野鳥の接尾語