二刀流・宮本武蔵の兵法

 

二刀流の開祖、宮本武蔵を知らない人はないだろう。野球少年なら大谷翔平が開祖と言うかもしれないが。先手必勝主義であるが、あせって打ちかかることは絶対にしない。

「太刀はふりよき程に静かにふる心」というくらい、ゆっくりしている。太刀筋に現れる敵の心と、その実力の程度を把握し、敵を確実に難所へ追い詰めてしまう。また、自分の得意技に溺れる偏りを嫌った。「同じことを度々することは悪しきことなり」とも言っている。師匠もなく実戦で鍛え、独行の直道を歩いた人の真率さが語られている。

(実践書としての『五輪の書鮎川信夫遺稿集より)