「月~」から始まる芭蕉の発句 25句

月いづく鐘はしづめる海の底

月影や四門四宗も只一つ

月か花かとへど四睡の鼾哉

月清し遊行のもてる砂の上

月さびよ明智が妻の咄しせん

月十四日今宵三十九の童部

月白き師走は子路が寝覚哉

月しろや膝に手を置宵の宿

月代ㇿや晦日に近き餅の音

月澄や狐こはがる児の供

月ぞしるべこなたへ入らせ旅の宿

月に名を包みかねてやいもの神

月の鏡小春にみるや目正月

月のみか雨に相撲もなかりけり

月はあれど留守のやう也須磨の夏

月花の愚に針むたてん寒の入

月華の是やまことのあるじ達

月花もなくて酒のむひとり哉

月はやしこずゑはあめをもちながら

月待や梅かたげ行小山ぶし

月見する座に美しき顔もなし

月見せよ玉江の芦を刈ぬ先

月見ても物たらはずや須磨の夏

月やその鉢木の日のした面

月雪とのさばりけらしとしの昏