月いづく鐘はしづめる海の底
月影や四門四宗も只一つ
月か花かとへど四睡の鼾哉
月清し遊行のもてる砂の上
月さびよ明智が妻の咄しせん
月十四日今宵三十九の童部
月白き師走は子路が寝覚哉
月しろや膝に手を置宵の宿
月代ㇿや晦日に近き餅の音
月澄や狐こはがる児の供
月ぞしるべこなたへ入らせ旅の宿
月に名を包みかねてやいもの神
月の鏡小春にみるや目正月
月のみか雨に相撲もなかりけり
月はあれど留守のやう也須磨の夏
月花の愚に針むたてん寒の入
月華の是やまことのあるじ達
月花もなくて酒のむひとり哉
月はやしこずゑはあめをもちながら
月待や梅かたげ行小山ぶし
月見する座に美しき顔もなし
月見せよ玉江の芦を刈ぬ先
月見ても物たらはずや須磨の夏
月やその鉢木の日のした面
月雪とのさばりけらしとしの昏