福老の縁起かついで春の神酒 雅澄
酔って空飛ぶ棲み処無く 雅博
我想う福老きたる精進か 光瀧
温水湧き来立春の朝 澄
蕗のとう雨に芽を出す緑かな 博
あぜ道で待つお下げ髪の子 澄
缶蹴りの鼻たれ坊主袖光る 博
しばきあげねば独楽は自滅す 澄
釈迦の手で筋斗雲駆る暴れ猿 博
犬の遠吠え雪夜の庵 澄
今むかし祇園精舎の鐘の音 博
鳥と化したる花の名問わる 澄
モズ千羽そらを覆いて雲となる 博
ピアノエチュード曲名知らず 澄
音楽に心の深いオザワさん 瀧
全身全霊水仙の咲く 博
明けぬ間に探し当てねば消えてゆく 澄
残ったもろみ能登の香ぞする 博
濁り酒酔生夢死もいいじゃない 澄
漕ぎゆく船の目指すは北斗 博
人知れず捜索願い出せぬまま 澄
青木ヶ原は苔むして呼ぶ 博
復活のあるや直巳は冬眠中 澄
冷凍技術夢か悪夢か 博
受精卵千年後には翔ばしたい 澄
化石は偉い黙して華に 博
我が庭の木の実残りを献じます 澄
お初に食す橘の味 瀧
遥かにぞ思ひ出させるカルピスの 博
濃淡自在光るの君は 澄
墨絵描く雪舟の背に寒の月 博
金権政治家洗脳利休 澄
茶漬けにはワサビ利かせて芯しびれ 博
陶酔女神他を圧殺す 澄
ドラエモン台湾渡り大フィーバー 博
福来の森ブギウギ桜 澄