心の裡なるQueenに別れねばならぬ運命

 別れをば目の前にして泣き萎れたるあの人の面影に似て

牡丹蘂ふかく分出る蜂の名残哉   芭蕉

牡丹散つてうちかさなりぬ二三片  蕪村

扇にて尺を取りたる牡丹哉     一茶

美服して牡丹に媚びる心あり    子規

白牡丹といふといへども紅ほのか  虚子

火の奧に牡丹崩るるさまを見つ   楸邨