昭和56年5月初めの日記から
昭和56年5月3日(日)晴 いい日だった。ショウドシマレンギョウのブッシュを見、その枝を取ることもできたのだから。雨の中の情感もまたよかった。車に酔ったのは見苦しかった。片本先生のよき案内がなければ、とてものことじゃない。上谷さんを土庄中央病院に訪ね、土産渡す。帰りにも鹿島に寄る。
5月4日(月)曇 手紙(令状)出しておく。今日はまあまあの天気。皮肉なものと言いたいところ。ショウドシマレンギョウの歌詞を作ろうとして苦しんでいる。これも楽しみのうち。作曲は誰にしてもらおうか。今ひとつ乗っていないので、すらすらと名句が浮かんでこない。明日はぱっと浮かんでくるか。
5月5日(火)晴 「小豆島連翹の歌」が一応完成。その気になれば、できるものだと自分でも感心する。でも、もっと文学性、深みがほしい。本が来るまでにこの歌をもっとよくして、片本先生から写真も届けばいい。何もかも運命に任すしかない。
この年3月6日 第16回香川菊池寛賞授賞式
剣持雅澄作『俳諧の風景』(同人誌「小説無帽」掲載)