秋彼岸と頭に秋を付けるべし俳句の季語の約束煩し
秋彼岸今日も曼殊沙華にょきにょきと茎の出てくる勢い恐ろし
後の彼岸と春の彼岸と区別すること知らないで生きて来しかな
秋彼岸学び深まるはずなのに老い深まれば遊び深まる
曼殊沙華(か)と唄う歌ありちょっとした試みに世も趣き変わる
昔より暑さ寒さも彼岸まで今年の夏はやっと去り逝く
逝きし者また本来の国に還るお盆のごとく彼岸も同じか
虫の声大方はコオロギ閻魔蟋蟀顔が閻魔のようであるから
昼夜兼行コオロギ鳴ける執拗さ恋の心はかくあるべきや
南無秋の彼岸の入日赤々と沈める見ればこころ鎮まる
世の中は絆ではなくしがらみか