曼殊沙華抱くほど取れど母恋し 中村汀女

曼殊沙華抱くほど取れど母恋し 中村汀女
   この名句は、『汀女句集』(昭和19年)所収。虚子が「 ホトトギス」を通じて起こした女流俳句興隆気運の中から踊り出た一人で、平明な言葉の中に豊かな感性が生きて躍動している句が多い。作者は一人娘で両親の愛を一身に受けて育った。