あなたは楸の葉柄(今宵秘かに捧げる讃歌)

ぬばたまの夜のふけゆけば

 久木(楸)生ふる清き河原に

  千鳥しば鳴く (万葉集)

この歌に詠まれた「久木」とは

 この黄葉した植物という説もある

  誰も万葉植物と注目する人はいない

それでも万葉愛好者剣持雅澄は関わっている

 土佐の万葉学者鹿持雅澄から名をもらっているから

  師走の昨今この黄色と形の素直さが目に留まる

   静かで温和な私好みの葉

 ところが、この写真をなんとなく見ていて

  すんなりと赤い葉柄に気付いて

   魅入っているところだ

一枚一枚の葉を支える葉柄

 細くしっかり葉脈を支える

  命の赤さ 血の匂い 

   あなたの心拍が聞こえてくる