辺見じゅん『収容所から来た遺書』

収容所から来た遺書 (文春文庫) [ 辺見 じゅん ]

第二次世界大戦後、シベリアに抑留され強制収容所ラーゲリ)内で死んだ山本幡男の遺書が、彼を慕う仲間達の驚くべき方法によって厳しいソ連の監視をかいくぐって遺族に届けられた実話を描いた作品。

1986年(昭和61年)に角川書店読売新聞社が共同で「昭和の遺書」を募集した際に、山本幡男の妻:山本モジミが夫からの遺書を投稿したものを、同企画の編集を務めた辺見じゅんがこれに目に留めたことをきっかけに、山本らの収容所での生活と遺書の経緯を調査し、このレポートを雑誌『文芸春秋』1987年10月号に「ラーゲリからの遺書配達人」の題名で発表したものが初稿である[2]。雑誌収録作を基に2年をかけて加筆が行われ『収容所ラーゲリから来た遺書』の題名で書籍化され1989年(平成元年)6月に刊行された。

「アムール句会」が開かれていたとは、驚くべきことである。

独房の秋を得たるは蝿の友 宇山  蜻蛉や撫遠の山の低き午后 芋逸   亡き母の齢となりぬあかぎれて 湘江  仰向けにもがく虫あり雲の峰 梅城

第21回大宅壮一ノンフィクション賞