校訓「信・愛・望」これだけ精神性の深い、人間愛に満ちた校訓がありましょうや。
四国の片田舎の戦後開校した香川県立高瀬高校の校訓であります。二代目校長延地君男先生の作詞された校歌一番、二番、三番のKeywordでもあります。
昭和四十年頃には卓球で世界を制覇した松崎キミ代で知られていました。以来平穏に過ぎましだ、今年宮中歌会始で岩倉(近藤)由枝が十人の中に選ばれました。
「和菓子屋をなりはひとして五十年寒紅梅に蕊をさす朝」母校とは何の関係もない歌ですが、実は一年生の時級友が交通事故死、その時クラス全員で挽歌集を作って霊前に捧げた涙の原風景があるのです。敢えて言えば「愛の心」「人間教育」がなされていたからです。一人は十五歳で無念の死を遂げ、もう一人は72歳にして皇居松の間で栄光に浴しました。なんという宿命でありましょうか。
森桂子さんの無念の思いに報いてあげたのは、今春の歌会の級友の「愛の歌」でした。一心に仕事に励んだ夫婦愛の歌らしいですが、根底に深く沈潜しているものは、深くつながる「友愛」なのです。この世で最も尊い「博愛」かもしれません。
さあ、今からまた57年前に亡くした教え子に供花に参りましょう。10キロの道のりも電動自転車ですから、夕方までに楽に行って帰れます。