#小説

『蒲団』のモデル「岡田美知代」

広島県府中市上下町出身「岡田美千代」

雨の川原のオーシャンブル―

心ならずも来し川の辺の初時雨 雅舟

一葉忌によせて

「たけくらべ」見返り柳 樋口家先祖代々の墓 高校時代から一葉に惚れ込み、大学では国文科に籍を置き、一応卒業論文でも取り上げようと志していました。半世紀を経て、やっと大音寺前界隈、吉原の跡、見返り柳、一葉旧居跡、何より「一葉記念館」を初めて見…

今宵は十三夜

十月九日、今宵は十三夜、樋口一葉の名作「十三夜」を思い出さずにはいられません。 今宵は舊暦の十三夜、舊弊なれどお月見の眞似事に 團子 をこしらへてお月樣にお備へ申せし、これはお前も好物なれば少々なりとも亥之助に持たせて上やうと思ふたけれど、…

五木寛之の生き方

五木寛之の生き方 齢八十にして、なおダンディーな作家五木寛之。医薬に頼らない縄文人の生き方による人生の歩み、紹介される。表現手段に上下はない。何事であれ、自己表現は貴いとする。その人の独自性を生かした表現が尊い。自分なりの自然な健康法を見付…

月今宵

月今宵 金木犀の 匂ひ立つ 雅舟

曼珠沙華と七日月

月今宵 私独りの 曼珠沙華 雅舟 曼珠沙華 独りの刻を 愛す哉 雅舟

真野響子の一句

山笑いその上に立つ伊予の城 真野響子 (愛媛県松山城を詠める)

龍之介の辞世「水洟や…」直筆

水洟や鼻の先だけ暮れ残る 龍之介 *辞世用に死の数年前に詠まれた句

朗読する楽しさ

『朗読日和』長谷 由子 まず、朗読の魅力が書かれている。文学作品の場合、黙読してしているときには気づかなかった臨場感を体感できる。登場人物の喜びや哀しみが我がことのように感じられる。また、朗読は想像力、イマジネーションの世界を大切にする。た…

僕は小説を一番多く読んでいる

『小説の終焉』川西 政明 「僕は小説が好きだ。日本で小説を一番多く読んでいる一人だと思う」と自負(豪語)する文芸評論家だけある。日本近代小説の終末宣言をだれが一体できるだろうか。「私の終焉」「家の終焉」「性の終焉」「神の終焉」というように近…

艶っぽいツバキの実

久しぶりにT先生から絵手紙来ました。 椿の実が「艶っぽい」という作品です。 来月展示会の案内状でもありました。

人と作品の追体験

『鷗外の坂』森まゆみ 「プロローグ『青年』が歩く」から文章が快調に展開する。作中の青年小泉純一が東京方眼図に従って歩く。坂の上と下、東京の貧富の差を地方出身の青年は三十分で実見する。著者もその追体験として歩く。歩行は、鷗外自身が精神の自由を…

生きる意味を問う対話

『何のために生きるのか』五木寛之 五木…「坂上の雲」という言い方がありますね。司馬(遼太郎)さんと話していて、僕は面白いなあと思ったのだけれども、『坂の上の雲』が高度成長の応援歌のように思われた時期がある。それを司馬さんは苦々しく不愉快に思…

人間の極限の時

『わが人生の時の時』石原慎太郎 40掌編の中から戦争に関連する3編を取り上げてみよう。 「人生の時を味わいすぎた男」は、真珠湾攻撃に参加した操縦士が、ゲイバーになっている不思議さが語られている。あの時あの真珠湾で死ななかったし、その後数々の…

童話「注文の多い料理店」

「注文が多い」とは、客側から注文を多くつけられるという意味に取るのが普通ではなかろうか。ところが、この童話では反対で、料理店側が客に注文をつけるのである。二人の客が山猫軒という西洋料理店に入り、次々扉を開けて中に入っていくにつれ、注文をつ…

台風一過、夏の花咲き競う。

台風六号、我が四国に一時停泊。すぐに方向転換、東南にすたこら逃げていく。 我が庭には、夏花が再び咲き競う。やっぱり穏やかな夏の静けさがいいな。

夾竹桃の花咲けば

夾竹桃が夏空に映えて薄紅の花が故里の川沿いの土手に見事でした。 ふと、佐藤紅緑作の少女小説『夾竹桃の花咲けば』を思い出しました。 …康子は照子を実の娘と思って接し、しだいに照子もなついてくるが、康子はあまりにも几帳面な性格であった。とにかくし…

「火垂るの墓」と看護者の感性

14日(木)のみとよ准看国語は野坂昭如「火垂るの墓」を取り扱います。 妹節子の最期を看る兄清太の感性は、看護婦の鏡であります。

黄のハイビスカス

黄の色はあなたの色と思います。

小梅熟して

半世紀越えて小梅のいまだ成る 雅舟 万葉の花はねず今実に熟す 〃 幼き日姉弟分け食みし小梅かな 〃 今は亡き姉想ふ日の小梅かな 〃 この小梅あなたのお口に入れたいな 〃

あなたはナデシコ?

ナデシコ(撫子)の群生地。讃岐観音寺市琴弾公園の松原にあります。 もちろん、カワラナデシコ(大和撫子)。ご自分が大和撫子のように 、しとやかだという自信があっても、この花を見れば、少し恥ずかしく なってくるかもしれませんね。なでしこジャパンの面…

幻影の襞の深さ

『白暗淵 しろわだ』古井由吉 表題作「白暗淵」のタイトルが全てを象徴している。 高校時代に女教師が『聖書』創世記冒頭の話で「元始(はじめ)」「黒暗淵(やみはだ)」と板書して読んだ時のことを半世紀を経て回想する。小生と著者は同期なので、同時体験…

忘れ草、忘れな草

今日7月4日の誕生花は【野萱草=忘れ草】 忘れ草=萱草 ユリ科ワスレグサ属 別名忘憂草 広義には、ニッコウキスゲなども含まれる。 夏の季語 ムラサキ科のワスレナグサとは別 (八重は藪萱草、一重は野萱草) 忘れな草=ムラサキ科ワスレナグサ 学名:Myosotis…

落梅集

「落梅」=散り落ちた梅の花、または実。 どちらも指す。 島崎藤村の詩集『落梅集』 詩文集。島崎藤村作。1901年(明治34)刊。小諸時代の秘められた恋情の詩と自然詩から成る。「小諸なる古城のほとり」は有名。作者の青春への決別の意味をもつ。

minminさん沙羅散華三句

緑濃き団地に沙羅の散華かな 草原に落花ばかりの夏椿 夜半の雨沙羅を散らせてゆきにけり (追想一句) 沙羅散華女流俳人団地妻 雅

今朝開く花

バショウ(芭蕉)の花 芭蕉が好んで自らに名づけたバショウ ザクロ(柘榴)の花…万葉の「はねず色」はこの花?

剣持屋敷、゜今゜咲いている花々

ありふれた花にはあれど今を咲く命いとしむ独りの時間 雅舟

梅雨晴れ、庭先の花々

梅雨晴れや梅雨入りといふ北日本 雅舟 梅雨晴れやその名忘れしまま生きて 〃 梅雨晴れや訪ね来て欲し人一人 〃

耳にはよしきり(行行子)、頬には光り

60年前、高校一年生現代国語の教科書に出ていた下の詩を思い出しました。 今、外ではギョウギョウシ、ギョウギョウシとせわしなくヨシキリが鳴いてます。 富士山 草野心草 川面(かわづら)に春の光はまぶしく溢れ そよ風が吹けば光たちの鬼ごっこ 葦の葉…