一夜庵中興の庵主の言

    夢の枯野   百花坊徐風

予若き時は松嶋象潟の旅にやつれ俳

諧は※玄峯老人を師として華柳の一句に  服部嵐雪

目さまし或時は蓮二を慕ひて西国行脚

の風呂敷をたすけ安藝のいとき嶋に三日

歌仙あり備の下津井盤石か六華亭の

夜話には葛の松原を雑談して此亭

より※蓮二にわかれその翌年の春は如月   各務支考

中のころならん玉藻よる讃岐の一夜庵に

住し今年四十歳の星霜を潜り、終に老

鼠の皮被るばかりなり