梅白し昨日や鶴を盗まれし(芭蕉) 和靖の飄逸秋風の隠逸(雅舟)
雲雀より空に休らふ峠かな(芭蕉) 多武峯よりも竜門へ越ゆ(雅舟)
古池や蛙飛び込む水の音(芭蕉) 一瞬にして静寂返る(雅舟)
角落ちてはづかしげなり山の鹿(一茶) 動物羞恥心この一句のみ(雅舟)
凧のぼりきのふの空のありどころ(蕪村) 今ひとたびの面影見せよ(雅舟)
蛙たくさん鳴かせ灯を消して寝る(尾崎放哉) 私たくさん女泣かせて寝れない(雅舟)
貝寄風に乗りて帰郷の船疾し(中村草田男) ことわりを言う手筈忘れて(雅舟)
花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ(杉田久女) よもよもいはずさつとぬぐべし(雅舟)
◎仰山に猫ゐやはるわ春灯(久保田万太郎) 恋の駆引き見ておきなはれ(雅舟)
春の鹿夜明けの谷を渡りけり(大串章) ただそれだけと思えばいいの(雅舟)