森のふくろう半歌仙(9)「梅雨最中」

梅雨最中彩り熱中七変化    光瀧

 雷鳴一発朱雀がにらむ    雅博

トラウマとなりて逃走白虎隊  雅澄

 馬を捨てるな戦にならぬ    博

青龍よどっちに着くか問いかける 澄

 うがみの龍は口が三つある   博

住みなじみ異郷の氏神にも参る  澄

 嫉妬深くて困ったユダヤ    博

幾春秋阿讃峠を越えたやら    澄

 形にはまらず自然のままに   瀧

地で生きてあっちこっちで頭打つ 博

 天上天下七夕祭り       澄

忘れても星座は巡る大宇宙    博

 しあわせ気分メルヘンメルシー 澄

エアコンも休み休み休ませる   博

 ふと足元に小さき野の花    澄

カメラマン遠くも見るが青い鳥  博

 藤棚野鳩巣ビッグニュース   澄

黒長の見事な蛙潜りけり     博

 後追っかけて行きたい夢路   澄

下手の歌聞くのも辛い発表会   博

 梅雨明け間近真夏がそこに   瀧

アツイには色々あって困ります  澄

 出来悪いヤツ可愛いものだ   博

  時折神の思し召しあり       澄 

お伊勢さんお蔭参りじゃ紙吹雪  博 

 燕よ人よ故国はいづこ     澄   

忍び寄る祭の後の寂しさが    博

 鳴き惜しみ止め蝉宙ぶらり   澄

一筋の命運分かつ軌跡かな    博

 先の見えない平和論とて    澄

暗闇の中にこそあれ魂休め       博

 野越え山越え人生の旅     澄

出稼ぎの夏に斃れる牛もあり   博 

    奉納したる手造りの龍                澄

  梅雨あけて夏本番の到来だ      瀧