非在の故郷10首


      非在の故郷 10首歌

   現在の此処に安住せず何処かに理想の地求めることいかんせむ

   人生は旅なり而して旅に旅を重ねし人は西行芭蕉

   八百年四百年のインターバル旅の歌人俳人しきりに思ふ

   もう一期四百年を遡れば太宰府の旅人を思ひ居るなり

   満洲に第二の故郷作らむと勇躍院の父親世代

   一塊の土持ち帰ることもなく朽ち果てししきりに懐かし

   貧農の倅に生まれ土地などは無価値無縁とぼやけいて居たり

   物質には執着はなし非在なる故郷なる身にこだわりてをり

   薄汚い顔持つことは許せない心も面も清く美しく

   醜悪なる世の人々より逃れ来て永遠非在の故郷を目指す

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