すでに四国の片田舎で作家デビューを果たしている者ですが、この度自粛中、郷土戦没詩人先輩森川義信を再び取り上げました。6480柱の戦没者の中に位置づけするもので、郷土愛に発する作家研究の一端かと存じます。
代表作品名詩「勾配 」森川義信
日本が戦争に向かって傾斜していく「勾配」=下降線に向かっていることを予感。
非望のきはみ 非望のいのち はげしく一つのものに向つて 誰がこの階段をおりていつたか 時空をこえて屹立する地平をのぞんで そこに立てば かきむしるやうに悲風はつんざき 季節はすでに終りであつた たかだかと欲望 ...
詩人鮎川信夫の親友であった戦没天才詩人森川義信。詩集『森川義信詩集』の代表詩。
鮎川の詩「死んだ男」のМは森川のことだ。大岡信の評伝が筑摩書房刊高校教科書
『現代文』で紹介してくれている。戦後派詩人に仲間入りできないのは彼がビルマで戦病死しているからだ。墓標がなく詩碑「勾配」が生家前にあるだけ。