巻頭の「開拓から開発へ」について毎日新聞が昭和53年2月15日好意的評価をしてくれた。 現在よく使われている「開発」という言葉の使い方について現代的論考を加え、興味を引く。観光開発、瀬戸内開発、巨大開発など、いずれも「大規模な近代性のニュアンスを持っており、人為的、作為的要素が強い。他動詞、しかも使役形に近い」。だから「そこに不自然、反自然の結果をもたらせ、自然破壊という落とし子を生むのも当然である。さらによく似た言葉の「開拓」が土地関係に限定されているのに注目、「開拓から開発へ」その用語の変遷が時代の流れを語っているように思える」とまとめている。 (随筆無帽171号 昭和53年1月刊)